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正義の行方

木寺一孝/著
著作者
木寺一孝/著
メーカー名/出版社名
講談社
出版年月
2024年3月
ISBNコード
978-4-06-535560-2
(4-06-535560-5)
頁数・縦
243P 20cm
分類
教養/ノンフィクション /事件・犯罪
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価格¥1,700

出版社の商品紹介

出版社からのコメント

文化庁芸術祭賞大賞、ギャラクシー賞選奨を受賞、映画化も決定した映像ドキュメンタリーの名作を書籍化。1992年2月21日、小雪の舞う福岡県甘木市の山中で、二人の女児の遺体が発見された。現場に駆け付けた警察官が確認したところ、遺体の服は乱れ、頭部には強い力で殴打されたことを示す傷が残っていた。二人は、約18キロ離れた飯塚市内の小学校に通う一年生で、前日朝、連れ立って登校している最中、何者かが二人を誘拐し、その日のうちに殺害、遺棄したものと見られた。同じ小学校では、この3年3ヵ月前にも同じ1年生の女児が失踪しており、未解決のまま時が流れていた。福岡県警は威信を懸けてこの「飯塚事件」の捜査にあたることになる。わずかな目撃証言や遺留物などをたどったが、決定的な手がかりはなく、捜査は難航する。そこで警察が頼ったのが、DNA型鑑定だった。遺体から採取した血液などをもとに、犯人のDNA型を鑑定。さらに、遺体に付着していた微細な繊維片を鑑定することによって、発生から2年7ヵ月後、失踪現場近くに住む久間三千年が逮捕された。「東の足利、西の飯塚」という言葉がある。栃木県足利市で4歳の女児が誘拐され、殺害された足利事件は、DNA型鑑定の結果、幼稚園バスの運転手だった菅家利和さんが逮捕・起訴され、無期懲役判決が確定したが、発生から18年後にDNA型の再鑑定が決まり、再審・無罪への道を開いた。その2年後に起きた飯塚事件でも、DNA型鑑定の信頼性が、問題となった。DNA型、繊維片に加え、目撃証言、久間の車に残された血痕など、警察幹部が「弱い証拠」と言う証拠の積み重ねによって久間は起訴され、本人否認のまま地裁、高裁で死刑判決がくだり、最高裁で確定した。しかも、久間は死刑判決確定からわずか2年後、再審請求の準備中に死刑執行されてしまう。本人は最後の最後まで否認したままだった。久間は、本当に犯人だったのか。DNA型鑑定は信用できるのか。なぜこれほどの短期間で、死刑が執行されたのか。事件捜査にあたった福岡県警の捜査一課長をはじめ、刑事、久間の未亡人、弁護士、さらにこの事件を取材した西日本新聞幹部に分厚い取材を行い、それぞれの「正義」に迫る。

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